研究課題
下肢重症虚血肢に対する骨髄間葉系幹細胞移植術はこれまで臨床応用も行われたが得られる骨髄間葉系幹細胞が微小であることから十分な効果を上がることができなかった。我々は、3次元立体回転式の細胞培養装置を開発して(Gravite;北川製作所)、微小重力環境(10マイナス3G)で骨髄間葉系幹細胞を培養すると未分化状態で大量の骨髄間葉系幹細胞が得られることを発見した。そこで、骨髄間葉系幹細胞を微小重力培養して大量に増やし、磁性流体を培養液に少量混ぜて培養して、重症虚血肢に磁性パッチを巻いて患肢に未分化な骨髄間葉系幹細胞を誘導して血管再生することを計画した。本年は大量培養した骨髄間葉系幹細胞に磁性流体を食させる方法の確立と磁性パッチを用いた患部への骨髄間葉系幹細胞の誘導法の研究を行った。
2: おおむね順調に進展している
微小重力培養した骨髄間葉系幹細胞の大量培養に成功した。ラットの大腿動脈結紮による下肢壊疽モデルの作成にも成功した。壊死した下肢への投与方法として、動脈注、静脈注、皮下注があるが皮下注がもっとも患部に骨髄間葉系幹細胞を誘導しやすいことが分かった。磁性パッチは既存製品がなく、弱電力の磁石を用いた。
完全に壊死した下肢の救済は本法でも難しいが、重症虚血肢の状態であれば本法を有効に使えば骨髄間葉系幹細胞を用いた細胞治療が可能になると予測される。次年度は、もっと効果的な骨髄間葉系幹細胞の投与法、投与量に関する検討を行っていきたい。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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