研究課題/領域番号 |
26670618
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉村 耕一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授(特命) (00322248)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 炎症性腹部大動脈瘤 |
研究実績の概要 |
いわゆる炎症性腹部大動脈瘤では、通常の動脈瘤と同様の破裂死防止という治療目的のみならず、腹痛等の症状改善や水腎症等の合併症への対応も治療に求められる。人工血管置換術が標準的な治療法として用いられているが、周囲臓器との癒着のため容易な手術とは言い難い。ステロイド投与やステントグラフト内挿術が試みられることもあるが、それらの効果は限定的であるとの報告が多い。それゆえ、病因・病態機序を解明し、新たな治療選択肢を開発することは急務である。本研究では、病原微生物が炎症性腹部大動脈瘤の原因であるという独自の斬新な仮説を実証する。そのため、以下の2つの計画を実施した。 【計画Ⅰ. 次世代シーケンサーを用いたヒト炎症性腹部大動脈瘤病変組織中の病原体探索】 本年度は、対照として通常の腹部大動脈瘤2例と非動脈瘤1例から標本を採取し、微生物ゲノム解析用に凍結保存した。今後も継続して標本採取を行い、各群5例の標本収集後に、次世代シーケンサーを用いてヒト病変組織中の病原微生物を探索する予定である。 【計画Ⅱ. 病原体抽出物を用いた炎症性腹部大動脈瘤のマウスモデル確立】 カンジダ・アルビカンス菌体抽出物を4週齢雄マウスの腹腔内に繰返し投与して感作させた。12週齢と20週齢時に犠牲死させたところ、12週齢時で43%、20週齢時で86%のマウスに腹部大動脈瘤の形成が確認された。今後は組織学的解析を行いさらに検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【計画Ⅰ】については、臨床標本の採取機会が当初の見込みより少なかったため、若干の遅れがある。しかしながら、【計画Ⅱ】が当初計画以上に実施できたので、全体では概ね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度実施した【計画Ⅱ】において病原体抽出物により炎症性腹部大動脈瘤のマウスモデルがほぼ確立できたので、これをモデル動物として用いることで、必ずしも【計画Ⅰ】の完了を待たずに【計画Ⅲ】の実施可能となった。今後は【計画Ⅰ】のための標本採取を行いつつ、同時に【計画Ⅱ】と【計画Ⅲ】を推進する予定である。
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