研究課題
今回、我我は生体分解性素材を使用して、より周囲組織との適合性の高く生体内で分解することが可能な次世代のASD閉鎖孔デバイスを実用開発ができないか、基礎的な検討を行った。生体分解性ポリマー(PLA、PGA)を用いて、デバイスの試作と分解速度測定をin vitro環境下に行った。In vitro環境下では、2ヶ月ことまでかけて、加水分解に伴うと考えられる浸透Medium液(今回はPBS液)の酸性化を認めたが、人体に影響を及ぼすまでの物ではなく、その後は特に酸性化が強くなることはなかった。その後、大動物(豚)を用いて、デバイスの機能性評価を施行した。今回、予算的に人工心肺を使用した心房中隔壁への移植は困難と考え断念し、開胸下に右房壁に穴をあけ、開発デバイスを心房壁内側と外側にまたがるように移植した。移植後、経時的(2ヶ月と4ヶ月)でSacrificeし、移植デバイスでの組織再生の程度を評価した。結果、術後急性期に出血等、手技・デバイスに起因する合併症は認めなかった。術後2ヶ月後のSacrificeと組織評価結果では、骨格となるポリマーは遺残するものの、デバイス内への良好なcell infiltrationと右房内側表層の内皮化を観察しえた。4ヶ月後にもSacrificeし、評価を施行したが、さらに密な組織再生を観察することが出来た。また本デバイスで最も懸念される分解物による塞栓に関しても評価を行った。今回右心系を用いた実験だったため、血栓による肺梗塞所見がないか組織学的評価を行ったが、それを疑う所見は認めなかった。一方で、ポリマーだけのデバイスでは圧着力に脆弱性が残ることが、今回の実験で明らかになった。今後、この点に関して解決を目指し、生体分解性ASD閉鎖孔デバイスの実用化に目処を付けたい。
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