研究課題
1.候補タンパク質の肺癌幹細胞特性に対する機能を明らかにする。がん幹細胞因子の抽出と腫瘍形成に対する影響:癌幹細胞の一つの特徴は少数の細胞で腫瘍形成を行うことである。候補遺伝子が癌幹細胞因子か否か決定するため、臨床検体由来肺癌幹細胞を用いて以下の実験を行った。臨床検体を一旦ゼノグラフトとしてマウスに移植、腫瘍サイズを増大した。ゼノグラフト回収後、コラゲナーゼ処理、癌幹細胞培養条件下で培養した。CD166ソーティングによって癌幹細胞を濃縮、1000個の細胞をマウスに移植。腫瘍形成の有無を観察した。平成27年度中に40検体を用いて実験を実施したが培養細胞系に持っていける腫瘍はなかった。一方、平成27年度中に樹立した細胞株においては、皮下腫瘍にくわえ、肺転移モデルとして用いることが可能であった。さらに、ゼノグラフトよりの腫瘍の回収条件、細胞培養条件あるいは、ショートヘアピンコンストラクトなどに関して各種条件検討を行った結果、この細胞を用いた特定遺伝子のノックダウンが可能となった。ノックダウン後の細胞についてはさらにCD166陽性細胞をFACSにて回収し一定数をマウス皮下及び尾静脈より接種した。これらマウスにおける腫瘍形成能の有無については現在も引き続き観察を行っている。2. 肺癌幹細胞に対する分子標的治療薬開発を行う。644化合物種からなる低分子化合物ライブラリーを用いてスクリーニングを行い、標的候補タンパク質の酵素活性に対する阻害剤をスクリーニングした。一化合物及びその類縁体で阻害活性を有する化合物がえられた。引き続きそれら化合物を元に至適化を行っている。
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