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2014 年度 実施状況報告書

肺気腫発生・進展の新規メカニズムの解明:その発症・重症化の予防と新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26670628
研究機関広島大学

研究代表者

岡田 守人  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードCADM1 / 質量分析
研究実績の概要

初年度はCADM1 CTFのミトコンドリアへの輸送に関連する候補分子の同定を質量分析にて試みた。
1)抗 CADM1 抗体を用いた免疫沈降にてCADM1関連分子複合体を抽出
ヒト気腫肺症例を選出して、検体摘出後すぐに標本およびタンパク質抽出用に凍結保存を行った。その後、必要量を取り出して一部は気腫肺の組織学的確認のために標本として HE 染色を行い、残りはタンパク質を小器官も含めた細胞質分画で抽出した。正常肺もコントロールとして同様に採取した。CADM1の全長型が恒常的に発現を認めるが CTF 発現は認めないヒト肺胞上皮NCI-H441細胞を用いて、CADM1 CTF形質移入後と未処理細胞(コントロール) においてそれぞれタンパク質を小器官も含めた細胞質分画で抽出した。以上から抽出 したタンパク質において細胞内(C末端15 アミノ酸)を認識する抗 CADM1 抗体を用いて免疫沈降を行い、CADM1 CTFのミトコンドリアへの輸送に関連する候補タンパク複合体を抽出した。
2)質量分析を用いた CADM1 関連分子の同定
精製された免疫沈降後のタンパク質群を質量分析に供した。同定された分子に関 して気腫肺群より正常肺群を、CTF 形質移入細胞株群より形質移入なし細胞株群をサブトラクションして CADM1 CTF が産生されたことにより CADM1と複合体を形成するようになった候補分子の同定を試みた。また、ナノチップスプレーを用いて細胞株におけるミトコンドリア成分を抽出した。CTFを形質移入した細胞株と形質移入していない細胞株において行い、質量分析に供して比較し、形質移入した細胞株でのみ認められる分子の選出を試みた。以上から同定された分子の共通項、もしくは関連分子群は CADM1 をミトコンドリアに輸送する候補分子として非常に有望と考えられ、これら候補分子の機能解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は以下のように順調に研究が進んでいる。
1)抗 CADM1 抗体を用いた免疫沈降にてCADM1関連分子複合体を抽出
ヒト気腫肺症例を選出して、検体摘出後すぐに標本およびタンパク質抽出用に凍結保存を行った。その後、必要量を取り出して一部は気腫肺の組織学的確認のために標本として HE 染色を行い、残りはタンパク質を小器官も含めた細胞質分画で抽出した。正常肺もコントロールとして同様に採取した。CADM1の全長型が恒常的に発現を認めるが CTF 発現は認めないヒト肺胞上皮NCI-H441細胞を用いて、CADM1 CTF形質移入後と未処理細胞(コントロール) においてそれぞれタンパク質を小器官も含めた細胞質分画で抽出した。以上から抽出 したタンパク質において細胞内(C末端15 アミノ酸)を認識する抗 CADM1 抗体を用いて免疫沈降を行い、CADM1 CTFのミトコンドリアへの輸送に関連する候補タンパク複合体を抽出した。
2)質量分析を用いた CADM1 関連分子の同定
精製された免疫沈降後のタンパク質群を質量分析に供した。同定された分子に関 して気腫肺群より正常肺群を、CTF 形質移入細胞株群より形質移入なし細胞株群をサブトラクションして CADM1 CTF が産生されたことにより CADM1と複合体を形成するようになった候補分子の同定を試みた。また、ナノチップスプレーを用いて細胞株におけるミトコンドリア成分を抽出した。CTFを形質移入した細胞株と形質移入していない細胞株において行い、質量分析に供して比較し、形質移入した細胞株でのみ認められる分子の選出を試みた。以上から同定された分子の共通項、もしくは関連分子群は CADM1 をミトコンドリアに輸送する候補分子として非常に有望と考えられ、これら候補分子の機能解析を行う予定である。

今後の研究の推進方策

質量分析を用いた CADM1 関連分子の同定を実行中である。
2年目はミトコンドリア輸送における候補 CADM1 関連分子の機能解析を主に行う予定である。具体的には(1)肺胞上皮細胞株を用いた候補 CADM1関連分子の機能解析(実際にミトコンドリア輸送およ びアポトーシスを制御できるか)(2)肺気腫マウスでの候補 CADM1 関連分子の機能解析(新規治療標的の模索)である。

次年度使用額が生じた理由

予想より使用金額が減り、5554円が余った。

次年度使用額の使用計画

次年度に5554円を消耗品費に加えて使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 肺気腫発症の新規機序:Cell adhesion molecule 1のshedding亢進と肺胞上皮細胞apoptosisへの関与2014

    • 著者名/発表者名
      見前隆洋 伊藤彰彦 萩山満 坪川典史 笹田伸介 吉屋智晴 宮田義浩 岡田守人
    • 学会等名
      第 31 回日本呼吸器外科学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-05-29 – 2014-05-30
  • [学会発表] Increased ectodomain shedding of lung-epithelial cell adhesion molecule CADM1 as a cause of increased alveolar cell apoptosis in emphysematous lung.2014

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Mimae, Morihito Okada, Yoshihiro Miyata, Tomoharu Yoshiya, Shinsuke Sasada, Norifumi Tsubokawa, Man Hagiyama, Akihiko Ito
    • 学会等名
      American Association for Thoracic Surgery
    • 発表場所
      Toronto CANADA
    • 年月日
      2014-04-26 – 2014-04-30
  • [学会発表] 肺気腫発症の新規機序 : Cell adhesion molecule 1のshedding亢進による細胞内ドメインの産生2014

    • 著者名/発表者名
      見前隆洋 伊藤彰彦 萩山満 坪川典史 笹田伸介 吉屋智晴 宮田義浩 岡田守人
    • 学会等名
      第114回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-04-03 – 2014-04-05

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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