研究課題/領域番号 |
26670634
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
冨永 悌二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00217548)
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研究分担者 |
遠藤 俊毅 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00535370)
齋藤 竜太 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10400243)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 特任助教 (10447162)
新妻 邦泰 東北大学, 医工学研究科, 助教 (10643330)
杉山 慎一郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30623152)
船本 健一 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70451630)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 神経外傷 / 脳低温療法 / CED法 / コンピュータ・シミュレーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、外傷性脳損傷に対する効果的な低温保護療法、すなわち「脳局所低温療法」の開発である。現在、外科的減圧術および軽度低体温療法を中心とする集中治療が行われているが、飛躍的に治療効果を向上させるようなブレイク・スルーが求められている。本研究は、中枢神経組織への薬剤送達方法:Convection-enhanced delivery法(CED法)を応用し、損傷部位周辺において神経保護薬を含む低温の液体を灌流することで、全身性の合併症をきたすことなく、十分な脳低温を達成することを試みるものである。さらに、将来の臨床応用に向けて、温度管理に関するMRモニタリング技術とコンピュータ・シミュレーション法を併せて開発する。将来は、脳生理学の発展に伴い、重要な標的部位を中心に治療を行うという新たな脳保護戦略が可能となる。 平成26年度は、正常ラットにおいて、CED法による灌流液分布を小動物用7T-MRでモニタリングする技術を開発し、また、ラット脳損傷モデルの作成実験を行った。今後、作成したラット脳損傷モデルに対する脳局所低温療法の効果検証実験へと、すみやかに移行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット外傷性脳損傷モデルを用いた治療の安全性・有効性を確認する研究を、平成26年度中に予定していたが、そこまで到達できなかった。しかし、CED法によるドラッグ・デリバリー後の、小動物における薬剤分布範囲モニタリングの方法を開発することができた。これら知見をふまえ、研究の次段階へと速やかに移行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、引き続き、ラット外傷性脳損傷モデルを用いた局所脳低温両方の安全性・有効性の検証実験を行う。さらに、小動物用7T-MRを用い、脳低温療法施行中の脳温モニタリングの実験を行う予定である。近年ではMRI の技術進歩に伴い proton magnetic resonance spectroscopy(1H MRS)を用いて非侵襲的に脳温測定が可能となっている(Cady EB et al, Magn Reson Med 33, 862-867, 1995)。本法を用いれば、非侵襲的に、局所脳低温療法施行中の脳温を経時的にモニタリングすることが可能であるものと見込んでいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究が概ね問題なく遂行できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
ラット外傷性脳損傷モデルを用いた局所脳低温両方の安全性・有効性の検証実験を引き続き進めていく上で、27年度請求額と併せて物品購入をを予定している。
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