研究課題/領域番号 |
26670640
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大江 直行 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (60362159)
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研究分担者 |
矢野 大仁 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00332685)
副田 明男 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20444276)
高木 俊範 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00452152) [辞退]
澤田 重信 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (40610415)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / 脳腫瘍幹細胞 / CD133 / CD44 / CD15 / NCAM / CD56 / CXCR4 |
研究実績の概要 |
当該年度は本研究の立案契機となった脳腫瘍幹細胞の表面マーカーの長期追跡結果をSoeda A, Ohe N, Lee D, Iwama T, Park DM: Surface proteine dynamics in glioma stem cells. Austin J Neurosurg 1: 7, 2014に発表した。論文中では当該研究の背景となった、脳腫瘍幹細胞のマーカーとして報告されているCD133, CD15や神経幹細胞のマーカーであるSox2などは概ね36ヶ月の長期培養においても安定した発現がみられること、他方、神経細胞のマーカーとして報告されているCD24は約六倍に、神経前駆細胞のマーカーとされるNCAM CD56は20%減弱していることなどを論文化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、論文発表及び研究立案において提示した、CXCR4に関して、その阻害剤であるAMD3100やsiRNAなどでknockdownし、その役割を明らかとするとともに、CXCR4陽性細胞のみのマウスへの移植実験、CXCR4高発現株と低発現株、及び同一の細胞株で高発現時期と低発現時期でその差異を明らかとすること、まだ、そのリガンドであるSDF1添加により、すでに報告されているJak-Stat3, MAPK pathwayなどの動態も検証することを挙げたが、脳腫瘍幹細胞に最適なsiRNAが可能な実験機器の購入に至らないこと、CXCR4陽性細胞のin vitro実験に置いて細胞増殖能に差異が見られなかったこと等から、当初立案したCXCR4がCD133のように幹細胞と同じ動態をとっていることに疑義が生じておりCXCR4以外の脳腫瘍幹細胞マーカーを検索する必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度はCXCR4に的を絞り研究を行う予定であったが、やはりCXCR4のみでは脳腫瘍幹細胞のマーカーとなり得ない可能性が生じた。このため、当初の予定通りマーカーの探索範囲を発表したSurface proteine dynamics in glioma stem cells. Austin J Neurosurg 1: 7, 2014中で次の脳腫瘍幹細胞マーカーの候補として挙げたCD166 ALCAM, CD24, CD44 HCAM, CD54 ICAM-1, CD56 NCAMを当初の予定通り研究対象として拡大する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画通りに使用したが、消耗品が当初の予定よりも安価に購入できたため、85,800円の次年度繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
この繰越金を含め、サンプル、試薬、抗体等の購入と論文校正費用、論文投稿料に使用する予定である。
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