研究課題/領域番号 |
26670642
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高野 浩司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90649203)
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研究分担者 |
木下 学 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 脳神経外科, 医長 (40448064)
畑澤 順 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70198745)
加藤 孝一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 室長 (50382198)
辻 厚至 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (60303559)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ALA / PET / 脳腫瘍 |
研究実績の概要 |
本研究では5-ALA誘導体であるPET用トレーサーMALAのin vitro及びin vivoでの脳腫瘍イメージングの妥当性を検証し、MALAによるmolecular imagingと5-ALAによるchemical imagingの動態解析を行い、それら二つのモダリティ間の相関性を検証し、molecular imagingと術中chemical imaging双方に使用できるdual tracerの開発を目的としている。 昨年度までに、各種腫瘍細胞株を用いてin vitroでのMALAと5-ALAの取り込みが相関することを確認した。さらに、それらの腫瘍細胞株を用いて脳腫瘍モデルマウスを作成した。また、マウスでのMALAの生態分布動態解析も行った。 本年度はそれらの脳腫瘍モデルマウスを使い、実際にMALA PETを施行した。その結果、皮下腫瘍モデルだけでなく、脳腫瘍モデルでもMALA PETで十分評価し得ることが確認できた。さらに、腫瘍細胞によってtime activity curveが異なることが明らかになった。一部の細胞株では初期の取り込みが高いにも関わらず素早くwash outされており、別の細胞株ではMALAが長時間腫瘍内に蓄積した。しかしながらin vitroのデータとin vivoのデータを比較したところ、明らかな相関が得られなかった。この原因としては、腫瘍の細胞密度や壊死の影響が関与しているものと推測された。今後はin vivoで5-ALAによるPPIXの蓄積を評価し、in vivoの結果同士で評価する方針としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の通り、一部の実験結果が当初予想していたものと異なったため、追加の実験を進める方針である。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoでのMALA PETの結果とin vitroでの結果に明らかな相関が得られなかった原因として、組織学的な検討の結果、腫瘍の細胞密度や壊死の影響が疑われた。そこで、PPIXの蓄積を腫瘍においてin vivoで測定し、in vivoのデータ同士を比較することでそれらの影響を回避する方針とした。さらに、他の腫瘍細胞株でも同様の実験を追加する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備的に行ったin vivoでのMALA-PETの解析結果が予測に反するものであったため、予定していたPETの本実験を行わず原因の解析を行っていたため。
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次年度使用額の使用計画 |
原因解明後、MALA-PETの本実験や免疫組織学的解析、学会発表、論文作成などに用いる予定。
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