研究課題/領域番号 |
26670645
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
三國 信啓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60314217)
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研究分担者 |
山海 嘉之 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (30183833)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳機能 / 脳神経外科 / 脳血流 |
研究実績の概要 |
脳外科手術では脳機能と病態との両面から治療適応や術式選択が評価される。脳機能評価には虚血、神経細胞や神経線維の電気生理学的異常をの評価が重要である。現在標準的に行われている血流評価であるPET、SPECTは撮影のために核種を準備し、設備も大がかりなものが必要である。このため、手術中への応用は困難で、通常ドップラーや血管撮影が用いられる。電気生理学的には脳波をsingle ubitから脳表電極まで多様な方法で記録し解析が可能である。画像診断として近年注目されているMRIを用いたASL法やDSC法は核種は必要なく、緊急的な検査は行えるものの、3TのMRIが必要であるなど制約も多く、高磁場検査の特性上、脳波との簡便な同時測定は困難である。 我々はてんかんやもやもや病において焦点診断、血流診断、脳波周波数解析を行い、脳波と血流との相関を評価している。てんかん、もやもや病や脳梗塞患者において、頭皮上からの計測結果を術前に必要な検査であるMRI、PET、SPECTと比較して術前病態解明は順調に進んでいる。最終的には術中のてんかん焦点診断・摘出や血管バイパス吻合状況の判断、術中脳機能モニタリングとしてのデバイス開発に進むように研究を進めている。本年度の研究は脳神経外科治療の対象となる疾患の病態においてバイパスや脳波変化が術中脳機能とどのようにかかわっているかを覚醒下手術も用いることによって行っている。虚血状態で随意運動と運動誘発脳電位にかい離があることを論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳波血流同時記録のデバイス開発よりもその基礎となる脳波と血流の相関を見ることに時間と労力が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
脳波脳血流同時測定のデバイスは脳局所活動を検出するものであり、現在の脳神経外科手術中に評価できる脳活動もやはり局所活動である。健常人での脳活動変化は微細であり、デバイス開発の効果実証は困難である。よって、脳外科手術中に検証できる脳活動の研究を進め、その病態や治療を検出することを先ず目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析用パーソナルコンピューターの購入予定を次年度に変更した。また研究成果の論文作成に係る経費及び学会発表に係る経費の支出がなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
データ解析を進め、平成26年度に発表できなかった研究成果を論文、学会等で発表するための経費とする。
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