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2014 年度 実施状況報告書

ADAM10機能阻害ペプチドによる脳腫瘍幹細胞撃退の試み

研究課題

研究課題/領域番号 26670650
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

井澤 一郎  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍医化学部, 室長 (20311441)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードADAM10 / テトラスパニン
研究実績の概要

本研究課題では、膜結合型プロテアーゼであるADAM10の機能を阻害するペプチドを開発し、悪性グリオーマの治療に応用することを目指している。ADAM10が細胞膜に局在してその機能を発揮するためには、テトラスパニンC8 (TspanC8) サブファミリー蛋白質と結合することが必要であることから、ADAM10とTspanC8との結合を阻害するペプチドを同定し、そのペプチドがADAM10の機能を阻害しうるかを検証する。本年度は、signal sequence、prodomain 、metalloprotease domain、disintegrin domain、cysteine-rich domain、transmembrane domain、intracellular domain から構成されるADAM10の truncation mutants と TspanC8 に属するTspan14との結合を強制発現系を用いて検討した。その結果、ADAM10のmetalloprotease domain、disintegrin domain、cysteine-rich domain、transmembrane domainは各々Tspan14と結合できる可能性があることが判明した。このことは、ADAM10はTspan14と複数箇所で結合して細胞膜上で折れ曲がるように存在し、これによってADAM10の活性部位であるmetalloprotease domainが細胞膜直上に位置して基質の切断を行っていることを示唆した。また、ADAM10とTspan14が複数箇所で結合することから、結合を阻害するペプチドとしては、metalloprotease domain の局在を膜近傍から遠ざける効果があるところに設定するのが一番効果的であることが推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ADAM10とTspanC8のひとつであるTspan14との結合を阻害して、ADAM10の機能を阻害するペプチドの同定につながるデータが得られたため。

今後の研究の推進方策

当該年度に得られたデータをもとに、ADAM10とTspan14との結合ドメインをさらに絞り込み、ADAM10 と Tspan14 の結合を阻害するペプチドを作製し、それがADAM10の機能を阻害できるかを検証していく。さらに、TspanC8サブファミリーに属するTspan5についても同様な検討を行い、ADAM10 がTspanC8サブファミリーと同じドメインで結合するのか、あるいはそれぞれ異なるドメインで結合するのかを探り、より特異的な阻害ペプチドの開発につなげていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度に予定していたペプチド合成を次年度に行うことにしたため。

次年度使用額の使用計画

ADAM10とTspanC8サブファミリーの結合ドメインの絞り込みが済み次第、ペプチド合成を行い、実験を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Cytokinetic failure-induced tetraploidy develops into aneuploidy, triggering skin aging in phospho-vimentin deficient mice.2015

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, H., Goto, H., Inoko, A., Makihara, H., Enomoto, A., Horimoto, K., Matsuyama, M., Kurita, K., Izawa, I., and Inagaki, M.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 290 ページ: 12984-12998

    • DOI

      10.1074/jbc.M114.633891

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 分裂期ビメンチンリン酸化不全マウスは染色体異数性と老化を引き起こす2014

    • 著者名/発表者名
      田中宏樹、後藤英仁、猪子誠人、井澤一郎、稲垣昌樹
    • 学会等名
      第73回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2014-09-27
  • [学会発表] Phosphorylation-deficient vimentin mutant mice develop premature aging via aneuploidy and cellular senescence2014

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, H., Goto, H., Inoko, A., Makihara, H., Izawa, I., and Inagaki, M.
    • 学会等名
      Gordon Research Conference - Intermediate Filaments
    • 発表場所
      West Dover, VT, USA
    • 年月日
      2014-06-15 – 2014-06-20
  • [備考] 愛知県がんセンターホームページ

    • URL

      http://www.pref.aichi.jp/cancer-center

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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