研究課題
本申請研究の最終年度にあたり、前年度までの成果を踏まえて、幹細胞から軟骨細胞への分化過程における糖鎖解析を施行した。解析手法は、前年度までに確立された手法に従った。解析手技の再現性、信頼性に関しては解析結果に影響を及ぼすものではなく、得られたデータのばらつきは手技に由来するものではないと判断された。得られたデータより、幹細胞から軟骨細胞への分化に伴い、細胞上の糖鎖に変化が生じていることが明らかとなった。解析対象は細胞上のほぼすべての糖鎖分子であり、分化のステップ毎の構造変化に伴い発現が減少しているものや増加しているものが存在した。糖鎖は生物学的多様性を規定していると考えられている。したがって糖鎖生物学的アプローチを行うことで幹細胞の癌化や脱分化といった現象の解明にも繋がる。今後は、細胞上で変化した糖鎖の分化および軟骨細胞の恒常性維持における機能解析を推進していく。なお、得られた成果は新規性が高く、特許申請予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
ORS Transaction
巻: 41 ページ: 1376-1376