研究課題
骨形成促進MWCNT block条件の検討MWCNTを骨再生に適した形状に形成し(以下CNTpとする)、骨再生分野における応用の可能性を検討した。CNTpをr-SBF中に静置したところ、表面にナノサイズのハイドロキシアパタイト結晶の凝集体が析出した。In vitroにおける薬剤徐放性試験として行った蛋白吸着試験および蛋白放出試験では、CNTpは有意に蛋白溶液中の蛋白濃度を減少させ、他のスキャフォルドに比べてゆっくりと蛋白を放出した。走査型電子顕微鏡および蛍光顕微鏡による形態観察において、CNTp上に播種された前骨芽細胞は、アクチンフィラメント・filopodiaをよく発達させ、気孔を満たしていた。細胞増殖試験において、CNTpは対照群のカバーガラスよりも有意に高い細胞増殖能を認めた。マウス頭蓋骨を用いた骨欠損修復モデルでは、対照群のコラーゲンよりも良好な骨電導能を認めた。In vivoにおける薬剤徐放性として、試験rhBMP-2を添加し、マウス頭蓋骨骨欠損に移植したところ、3週間で他のスキャフォルドよりも多くの骨形成を認めた。CNTpは良好な骨形成能を示した。このことから、MWCNTを多孔質に成型することで、従来のHAなどのスキャフォルドよりも骨形成が促進されることが確認された。MWCNT blockの骨芽細胞と破骨細胞の共培養上記の実験中で、in vitroでの骨芽細胞と破骨細胞の共培養実験を行った。前骨芽細胞のMC3T3-E1細胞と前破骨細胞のRAW264.7細胞を使用し、rhBMP-2およびRANKLを用いて分化誘導を行い、共培養を行い、ALP、石灰化などを評価したが、結果として、MC3T3-E1細胞単独を培養して行った群との違いはみられなかった。
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