研究課題
1.臨床応用をめざした適切な鉄製剤およびキャリアーの評価:(1)SDラット脛骨内に小欠損を作成し、鉄剤としてリゾビスト、キャリアーとしてハイドロキシアパタイトであるリジェノスの複合体を移植し、局所が加温されるシステムで骨新生を評価した。加温群においてリジェノス内に旺盛な骨新生が見られ、Villanueva bone stainingでも対照群と比較して有意に成熟骨新生を認めた。 (2)加温条件の解析:単回加温と複数回加温による骨新生を同様のラットモデルで評価した。週1回の頻度で複数回加温する方が、骨新生に有効でったが、週に複数回加温する方法は逆に骨新生を阻害することが明らかとなった。2.加温による新生骨誘導のメカニズム:骨芽細胞へ分化するMC3T3細胞と軟骨分化を経て骨化にいたるATDC5細胞をin vitroにおいて単層培養し、加温群と対照群における骨新生、軟骨新生を評価した。加温処理はMC3T3細胞の骨分化を促進したが、ATDC5の軟骨・骨分化を促進しなかった。以上から加温刺激は骨芽細胞を介した骨新生を促進することが示唆された。3.ウサギによる実験:ウサギ脛骨内に小欠損を作成し、ラットより大きな動物における加温の骨新生への影響を評価した。ラットでは人工骨内の骨新生が促進されたが、ウサギでは人工骨内と人口骨周囲の両方で骨新生が促進され、種による加温骨形成パターンの違いが示唆された。4.論文化:複数回加温、ラットとウサギへの加温効果の違い、骨芽細胞を介した骨新生促進をまとめて論文投稿を果たした。5.特許出願:本発明(出願番号:PCT/JP2014/064920)に関して米国移行を達成した。
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