近年、副甲状腺ホルモン製剤(PTH製剤)の間欠的投与が骨形成を促進させることが明らかとなり、骨破壊抑制薬に変わる夢の新薬として脚光を浴びている。しかし、本製剤はその詳細な作用機序が明らかとなっていない上、医療経済的な問題を抱えている。本研究ではPTHをマウスに間欠投与した際の皮質骨を質量顕微鏡で観察することで骨代謝を制御する新規分子やシグナル伝達経路の推定を行った。その結果、PTH投与が皮質骨内部に特定の脂質を誘導する可能性が示唆された。また、同定された脂質は加齢などに伴う炎症性の骨形成低下を抑制することが示唆された。
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