研究課題/領域番号 |
26670665
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
廣畑 聡 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90332791)
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研究分担者 |
山田 浩司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80325092)
大月 孝志 岡山大学, 保健学研究科, 非常勤研究員 (10534802)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 軟骨 / 培養細胞 |
研究実績の概要 |
『アグリカンを分解する最もメジャーなアグリカナーゼとされるADAMTS5が何故ヒトOAサンプルでは発現量が多くないのか?』という疑問にこたえるべく、本研究の目的は“ADAMTS5の制御にエンドサイトーシスが関わっており、その破綻が変形性関節炎の発症を引き起こす”という新たな仮説をもとに二つのテーマに挑戦する。 1) ADAMTS5の細胞内取り込み機構としてのエンドサイトーシスの重要性:エンドサイトーシスによりADAMTS5が制御されているメカニズムを検討 2) 変形性関節炎(OA)の病態におけるエンドサイトーシスの役割:軟骨においてエンドサイトーシス阻害/促進がもたらす効果を検討する まず、培養軟骨様細胞をN-Hydroxysuccinimide (NHS)-SS-biotinでラベルした後に、エンドサイトーシスにて細胞内に取り込まれたビオチンを検出した。4℃と37℃の二つの条件を比較したところ、エンドサイトーシスを起こさないとされる4℃に比べて37℃では細胞内にビオチンの取り込みを確認できた。同時に、アグリカン分解産物をアグリカナーゼ切断が特定できるネオエピトープ抗体(374ARGSV: BC-3抗体)を用いてウエスタンブロット法でアグリカン分解への効果をみたところ、同細胞において培養液中に切断されたアグリカンを検出することに成功した。 さらに、エンドサイトーシス関連分子であるLRP-1およびRAPの発現について検討した。RT-PCR法にてLRP-1およびRAPのmRNA発現を確認でき、本実験において用いた軟骨様細胞がエンドサイトーシス関連分子を発現し、エンドサイトーシスを起こしていることが初めて示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本実験を行ううえでもっとも基礎となるエンドサイトーシス実験に、申請者が用いようとしている軟骨様細胞が果たして適切であるか報告がなかったため、まず最初に同細胞にエンドサイトーシスが起こるのか、およびエンドサイトーシス関連分子が発現しているのかを検証することから実験を開始した。 実績報告のごとくビオチンの取り込みを確認することに成功し、同細胞がエンドサイトーシスを起こしており、関連分子も発現していることを発見した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はタンパクレベルでエンドサイトーシス関連分子が発現しているか否かを検討するとともに、in ivivoモデルで関連分子の発現を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より安く消耗品を購入できたため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の研究計画を実施するために消耗品購入に充てる。
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