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2014 年度 実施状況報告書

マイクロRNAと磁気ターゲッティングを併用した難治性骨折の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 26670666
研究機関広島大学

研究代表者

越智 光夫  広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70177244)

研究分担者 味八木 茂  広島大学, 大学病院, 講師 (10392490)
亀井 直輔  広島大学, 大学病院, 病院助教 (70444685)
中佐 智幸  広島大学, 大学病院, 病院助教 (60467769)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードマイクロRNA / 磁気ターゲッティング / 難治性骨折
研究実績の概要

偽関節等の難治性骨折はしばしば治療に難渋する。様々な生命現象に重要な役割を担っており、疾患の病態にも関与しているmicroRNA(miRNA)の発現を制御することにより、難治性骨折の新たな治療方法を検討する。骨形成能・血管新生能を有するmiRNAの解析を行った。ヒト骨髄間葉系幹細胞(MSC)を骨分化誘導し、分化前後で発現変動するmiRNAを網羅的に解析した。有意に発現が変動していたmiRNA-222に着目し、解析を行った。MSCの骨分化誘導を行う際、MSCに合成miRNA-222を強制導入し、またmiRNA-222 antisenseを導入し発現抑制を行った。Osteocalcin、Runx2のReal time PCRとアリザリンレッド染色を行ったところ、miRNA-222の発現を抑制すると骨分化が促進し、過剰発現させると骨分化が抑制されることがわかった。次に、ラット大腿骨骨幹部を骨折させ、その骨膜を焼灼した偽関節モデルを作製し、アテロコラーゲンと混合したmiRNA-222 antisenseを局所投与した。対照群は、非機能性の1本鎖DNAを投与した。投与後8週でmiRNA-222 antisenseを投与した群では、単純レントゲン上、CT画像上骨癒合が確認できた。対照群では、仮骨形成は認めるものの、骨折部の架橋は認めなかった。組織学的評価においてもmiRNA-222 antisenseを投与した群では、骨折部の良好な骨形成を認め、IsolectinB4による血管形成の評価においてもmiRNA-222 antisenseを投与した群では、多くの新生血管を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

まず、骨形成能を有するmicroRNAの同定を行い、これまで骨形成に関しては報告のなかったmiRNA-222が骨形成に関与していることを同定できた。また、実際にラット大腿骨偽関節モデルにおいてmiRNA-222の発現を抑制することで骨形成が促進することが確認できた。

今後の研究の推進方策

miRNA-222の骨形成能に関する標的遺伝子の同定を含めたメカニズムの解析を行う。また、ラット大腿骨偽関節モデルに対し、磁性体をmiRNA-222 antisenseとともにアテロコラーゲンを混合し、偽関節部に投与した後、磁場をかけて集積させることができるかどうか検討を行う。

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公開日: 2016-05-27  

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