骨粗鬆症をおこす骨代謝異常には加齢に伴う骨組織の循環障害が関与すると考えられる。しかし、骨膜微小血管の収縮制御機構は明らかではない。骨粗鬆症の予防・改善には筋力トレーニング(筋トレ)が有効な手段の一つである。本研究では筋トレによる骨膜細動脈機能の変化について検討した。 筋トレを行った前脛骨筋に隣接する脛骨骨膜細動脈は、経壁的神経刺激により収縮とそれに続いて弛緩を生じたが、筋トレをしていない標本では弛緩は見られなかった。α受容体阻害薬は、この神経性の収縮と弛緩を抑制し、NO合成阻害薬は、神経性弛緩のみを抑制した。以上の結果から、筋トレは骨血流増加を起こす変化を生じている事が示唆された。
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