研究課題/領域番号 |
26670672
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
金 郁ちょる 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50244603)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 光触媒 / 電磁波 / 超音波 / インプラント / 細菌感染 |
研究実績の概要 |
医療の進歩によりインプラントなどの体内人工物・材料の進歩はめざましく,外傷に対する早期の社会復帰や,高齢者の健康寿命の延伸に大きな恩恵をもたらしている.一方,人工物挿入後は,細菌感染の危険性が高く,治療として長期の抗菌薬の投与や観血手術を要することが多いが,耐性菌の出現など治療に難渋する.そこで励起により有機物の分解効果を持つ光触媒をインプラントに応用することを考えた.われわれは既に骨折治療用の鋼線を光触媒処理し,紫外線照射による感染予防効果を確認し臨床応用している.しかし,生体内部では紫外線による励起は困難であるため,電磁波や超音波を用いて体内に埋入した光触媒を励起させ,殺菌やバイオフィルムの分解を行う手法を確立し,これを人工物に起因する感染症対策に応用することを目的とする. 平成27年度は,光触媒処置を行った酸化チタンプレートと純チタンプレートを用いて,各種電磁波,超音波刺激による殺菌効果とバイオフィルムの分解効果を検証し,至適な刺激強度や刺激時間を決定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験に使用する各種電磁波,超音波の準備に時間を費やし,その間研究が進行しなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,家兎を用いた骨折モデルを作製し,光触媒酸化チタンを用いて骨折部の内固定を行い,骨成熟過程に対する影響や感染予防効果を検証する.また臨床応用の基盤とするため,大動物モデル(ビーグル犬など)を用いて研究で得られた至適条件下に抗バイオフィルムの効果を検証する.研究の円滑な遂行のため,当院感染症検査室や光触媒処理業者である(有)イールド,および電磁波発生機器,超音波機器メーカーとの協議を密に行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に使用する各種電磁波,超音波の準備に時間を費やし,その間研究が進行しなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は,家兎を用いた骨折モデルを作製し,光触媒酸化チタンを用いて骨折部の内固定を行い,骨成熟過程に対する影響や感染予防効果を検証する.また臨床応用の基盤とするため,大動物モデル(ビーグル犬など)を用いて研究で得られた至適条件下に抗バイオフィルムの効果を検証する. 日本白色家兎、ビーグル犬の購入,光触媒酸化チタン内固定材料の作製費用に使用する予定.
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