生体内で骨を溶かす働きを持つ破骨細胞は、単核の破骨細胞前駆体同士が細胞融合することにより形成される。我々は、破骨細胞が融合する際に、リン脂質の一種であるホスファチジルエタノールアミン(PE)の生合成が増え、さらにPEが細胞表面に露出するようになることを見出した。細胞表面のPEの働きを止めると破骨細胞融合が阻害されたことから、PEの局在が細胞融合に重要であることがわかった。PEの量的・質的な変化を引き起こす分子を探したところ、LPEAT2とABCB4、ABCG1がその作用を担っていることを見出した。これらの結果から、PEの量的・質的変化が破骨細胞融合に重要な働きを持つことが明らかとなった。
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