アストロサイトが歩行神経出力形成に関与しているとの仮説を提唱、検証した。新生ラットから摘出脊髄標本を作製し、薬剤で誘発した歩行神経出力を腰髄L5前根から記録しつつ、共焦点顕微鏡を用いたカルシウムイメージングにより腰髄前角の細胞活動を計測した。通常の計測の後、標本にTTXを投与すると、ニューロン活動のみが抑えられ、さらに、灌流液のカリウム濃度を0.2 mMへ低下させるとアストロサイトのみが興奮性を呈したことから、ニューロンとアストロサイトとを分別した。解析の結果、腰髄前角内に、歩行神経出力と同期した活動を呈するアストロサイトが見出され、アストロサイトの歩行リズム形成への関与が示唆された。
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