研究課題
ヒト乳癌組織マイクロアレーおよび中皮に由来する悪性腫瘍である線維形成性小円形細胞腫瘍(DSRCT)と悪性中皮腫腫瘍組織の免疫組織化学を検討したところ、乳癌では50症例中30%にCnn2の発現を認め、予後の悪いtriple negativeやhigh gradeの症例に多く発現する傾向が認められた。ヒト前立腺癌組織マイクロアレーでは、骨転移腫瘍でCnn2の発現が低下していた。また、ヒトDSRCTと悪性中皮腫組織では調べたすべての症例でCnn2は極めて高い発現を示した。Cytoo社製の1D motility assay chipと位相差顕微鏡タイムラプスビデオ撮影の技術を用いて、マウスCnn1欠失血管平滑筋細胞とヒト明細胞肉腫細胞の系で、1D-Collision Assayを評価する実験系を確立した。マウスCnn2遺伝子のプロモーターは転写開始点の上流68bpの位置に種を超えて保存されたSRFの結合配列であるCArG Box(CCTTATAAGG)をもつことがわかった。さらにマウスCnn2遺伝子のプロモーター解析から転写開始点の上流でCArG Boxを含む188bpがCnn2の発現に必須であることもわかった。また、この領域を含む転写開始点の上流239bpがマウスとヒトで最もよく保存されていた。EMTに伴う発現誘導に必要な最少のプロモーター領域を決定するため、ヒトCnn2プロモーターを人工合成し、LuciferaseまたはEGFP標識遺伝子の上流に連結した発現ベクターを構築した。
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