本研究の動物実験では、内因性鎮痛系の中でも特にノルアドレナリン作動性下行性抑制系が慢性痛時にどのように変化するのかを調べた。神経障害性疼痛モデル(SNL)を作成後5週間経過すると、内因性鎮痛が減弱し、その原因にはノルアドレナリン作動性下行性抑制系の減弱が関与していた。アミトリプチリンを5日間投与すると、内因性鎮痛の減弱を抑制できた。 臨床研究では健常人を対象にプレガバリン(150㎎内服)が内因性鎮痛を増強するのか、プラセボ投与群と比較した。プレガバリンはプラセボと比較して内因性鎮痛を増強しなかった。しかし内因性鎮痛が弱い人ほど、プレガバリンによって内因性鎮痛が強まることが明らかになった。
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