麻酔薬の作用機序の仮説の一つである脂質仮説の検証に挑んだ。測定が困難な側方圧の代わりに膜張力を用い、張力を変化させることによってイオンチャネルの活性が変化するか定量的測定を目的とした。 当初リポソームパッチ法による測定を予定していたが、膜面積の変化をとらえることができず膜張力の計測は困難と判断した。次に脂質バブル法を用いることとした。本方法の習熟およびイオンチャネル電流計測までは可能となったが、この方法も形成される脂質二重膜の膜面積および膜を形成する脂質分子数を一定に保つことができず、正しい膜張力を測定することができず、イオンチャネル電流変化の定量的測定までは到達することができなかった。
|