これまで、1本の神経で機械刺激・熱刺激・化学刺激などの複数の刺激による痛みを感知すると考えられてきた。最近、マウスでは異なる痛み刺激は異なる末梢神経を活性化させる可能性が示唆されている(labeled line theory)。本研究では、各種痛みモデルでlabeled line theoryを検証し、分子ではなく特定の神経線維をターゲットする全く新たな鎮痛法開発を目的とした。本研究により、術後痛モデルや炎症痛モデルで観察される熱性痛覚過敏はTRPV1陽性神経によって、機械性痛覚過敏はIB4結合神経によって感知されることが明らかとなった。
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