研究課題/領域番号 |
26670691
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00256075)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 麻酔薬 / 恐怖記憶 / 行動実験 |
研究実績の概要 |
ミダゾラムの中枢神経作用の一つに、動物のフラッシュバック様行動を低減する作用がある。フラッシュバックの症状は、過剰な自律神経反応と、それを惹起する忘却し難い不快情動体験の記憶から構成され、ミダゾラムは自律神経反応を明らかに低減するが、それが不快情動体験記憶を忘却したことによるかは、これまで不明であった。中脳水道灰白質を中心とする自律神経反応系と不快な情動体験記億のどちらにミダゾラムが作用しているかを個別に検討するため、本研究では、①マウス多面的記憶テストバッテリーを用いて、ミダゾラムの記憶忘却作用を検討する。また、②他の麻酔薬についても記憶忘却作用の検討を行い、全身麻酔薬の新たな応用可能性を探る。また記憶に対する効果の容量依存性、投与タイミング依存性を網羅的に解析し、効果が最大となる条件の検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在ミダゾラムが恐怖を伴わない空間記憶学習に影響を及ぼすかをモリス水迷路を用いて検証している。現時点でモリス水迷路の実験系の立ち上げには成功しているため、今後薬剤を投与した動物での検証を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
モリス水迷路を立ち上げ次第、ミダゾラム投与を行い、空間記憶への影響を検討していく。ミダゾラム投与に関しては、濃度を振る、投与タイミングを振るなどして最大効果条件を検討するとともに、薬剤の記憶への効果がどの程度の期間保持されるかを行動学的に評価していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
モリス水迷路の立ち上げに時間がかかったため、動物に薬剤を投与しての行動実験が次年度になってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
行動実験用にラットを購入し、ミダゾラムを投与して行動実験を行っていく。
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