研究課題
麻酔科医が遭遇する気道閉塞などによる肺胞換気停止・不能に伴う低酸素血症の治療につながる静脈内投与可能な酸素マイクロバブル製剤の開発のための基礎研究を行う事が本研究申請の目的である。静脈内投与に最適化された脂質二重膜を用いた酸素含有脂質粒子の作出法を確立すること、その有効性を培養細胞・実験小動物レベルで他のバイタルパラメータと共に酸素ホメオスターシスセンサー低酸素誘導性因子1の活性化などの視点から検証することが具体的な目的である。研究計画に即した実施状況を記述する。#1 静脈内投与に最適化された脂質二重膜を用いた酸素封入微小バブル(LOM)の作出法を確立 - 所期の性質を備えた酸素封入微小バブルの作出には至っていない。#2 酸素封入微小バブルの有効性を培養細胞を用いた実験系での検証 -細胞内酸素分圧測定はイリジウム錯体BTPの酸素消光現象を用いた方法を蛍光顕微鏡に応用した手法を用いて細胞内酸素分圧を測定できる実験系の確立の端緒を得た。細胞内シグナル伝達、遺伝子応答の検討はHIF-1の活性化を指標とした細胞内低酸素状態の検証の実験系を確立した。#3 酸素封入微小バブルの有効性をラットを用いた実験系での検証-着手していない。
3: やや遅れている
酸素分圧の検討の実験系の確立には成功したが脂質二重膜を用いた酸素封入微小バブル(LOM)の作出に成功していないため。
酸素封入微小バブルの作出に研究の主力を注ぐ。このため、研究計画にあるように研究協力者にアドバイスをもらうまた研究室訪問など行う。
当初の研究計画からみて今年度の研究の進捗が遅れていることが次年度の使用額が生じた主たる理由である。この原因は、研究代表者の研究エフォートが当初予定より低かったことである。また酸素マイクロバブル製剤の作出に至らなかったため動物実験の遂行ができなかったことも理由の一つである。
今年度は、研究代表者の研究エフォートを確保して当初の研究計画を遂行できるような方策を講じる。酸素マイクロバブル製剤の作出の成功を確実にして動物実験の遂行などを行えば計画通りの使用が可能となると思われる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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