脳由来神経栄養因子(BDNF)は神経ネットワークの構築に必須であり、後根神経節のBDNFは痛み伝達にneuromodulatorとして関わっている。脊髄後角には、細胞内チロシンキナーゼ(tk)ドメインを持つBDNF受容体(TrkB-isoform1)の他に、tkドメインを持たないisoform2が存在する。TrkB-isoform2が、BDNFのIsoform1への結合を競争阻害すれば鎮痛効果が期待できる。TrkB-isoform2を含む発現ベクターを骨転移癌性疼痛のラット脊髄くも膜下腔に投与した結果、鎮痛効果を得た。
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