研究課題
●転移を有する腎癌、尿路上皮癌、前立腺癌患者で、治療前、治療中の画像診断による効果判定時に血清・血漿を採取。各サンプルよりタンパク、エキソソームmiRNAを得る。患者が明らかなPDや治療耐性で超進展状態になったmiRNAや各種サイトカインを解析。ドミナントなmiRNA異常発現を絞る。このドミナントな異常を過去の経時サンプルでのfractionを評価。治療抵抗性へのキーとなる異常を同定することを目的とした。●転移性進行腎癌の代表的治療薬であるアキシチニブ(AXT)で治療した進行腎癌患者血清中のmiRNAや血清蛋白の発現と予後の関連を解析し、AXT治療効果を予測する血清因子を探索した。対象は当院でAXTを投与した進行腎癌16例。AXT投与前後の血清miR-21、miR-155、miR-210、miR-378の発現を定量PCRで解析した。また、AXT投与前後の血清中の16種類の蛋白発現をBio-Plex Pro; Human Cancer Biomarker Panelで解析した。●結果として、AXT投与後miR-21低下群は有意に無増悪生存期間が延長した(p = 0.032)AXT投与開始前(0週)の各種血清蛋白濃度とPFS、OS、奏功率との関連を検討したが、血清sVEGF-R2とPDGF-AB/BBの0週での濃度が低い群、および血清PAI-1の0週での濃度が高い群で有意に奏功率が良好な傾向にあった。0週と4週の間の各種血清蛋白濃度の増減とPFS、OS、奏功率との関連を検討したところ、血清PAI-1およびIL-18濃度が0週より低下した群で有意に奏功率が良好であった(表4:p = 0.014, p = 0.014)。アキシチニブ投与開始4週後に血清PAI-1濃度が0週より低下した群で、有意にPFSおよびOSが延長した。多変量解析では、血清PAI-1濃度の治療前後での変化は独立したPFSおよびOSの予測因子であった。以上より、AXT治療前後の血清miR-21変化や、PAI-1の変化が予後との関連を示唆するバイオマーカーとなりうると考えられた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
PLoS One
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http://www.med.akita-u.ac.jp/~hinyoki/