研究課題/領域番号 |
26670704
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
秦 聡孝 大分大学, 医学部, 助教 (60404381)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 外尿道括約筋衛星細胞 / Pax-7 / IL-6 |
研究実績の概要 |
本研究では、外尿道括約筋細胞とその幹細胞の転写制御ネットワークを詳細に検討し、外尿道括約筋細胞とその幹細胞に特異的な転写因子を見出し、最終的には線維芽細胞に導入し、ダイレクト・リプログラミングによる外尿道括約筋細胞とその幹細胞の作製による新たな尿失禁療法の開発を目指している。 平成26年度はダイレクト・リモデリングによる外尿道括約筋衛星細胞の作製に向けた基盤となる研究を行った。骨格筋衛星細胞の転写因子としては、Pax (Paired Box) familyに属するPax-7が重要であることが知られている。通常、幹細胞はその特異的な細胞表面マーカーを標的とするflow cytometryを用いて収集されることが多いが、Pax-7は細胞表面に局在していないため、外尿道括約筋衛星細胞の高率な回収が困難であり、これまで研究邁進の妨げとなってきた。 そこで、われわれはまず、高率な外尿道括約筋衛星細胞の回収を目指し、IL-6(Interleukin-6)によるPax-7陽性の外尿道括約筋衛星細胞の増殖実験を行った。0.1-10ng/mlのIL-6を長寿化したヒト外尿道括約筋衛星細胞(US2KD)と錐体筋細胞(HU5)に添付し、抗Pax-7抗体を用いて、その陽性細胞数をカウントした。その結果、US2KDにおいて、IL-6の濃度依存的にPax-7陽性細胞数は増加する傾向にあったが顕著ではなく、HU5と比較しても、その増加傾向は有意ではなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外尿道括約筋衛星細胞の転写制御ネットワークを詳細に検討するため、効率良く外尿道括約筋衛星細胞の増殖・回収を行いたいが、手技確立が困難であるため。
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今後の研究の推進方策 |
高率な外尿道括約筋衛星細胞の回収を目指し、幹細胞のストレス耐性に注目し、最近報告されている長時間トリプシン添付培養などに積極的に取り込むことで、研究全体の推進を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究データ解析等のため機器購入を予定していたが、予算不足の為次年度購入としたため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究データ解析等のため機器購入
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