研究課題/領域番号 |
26670711
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 潔 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70241594)
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研究分担者 |
鈴木 貴 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10261629)
三木 康宏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (50451521)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | endometrial carcinoma / estrogen / androgen / endometrial hyperplasia / 5α-reductase / androgen receptor |
研究実績の概要 |
今年度は、東北大学病院の子宮体がん手術症例から漿液性腺癌など特殊型を除く類内膜腺癌症例100例以上を抽出し、(A)子宮内膜増殖症の併存の頻度、位置関係、および内膜増殖症の種類と広がりの程度(B)萎縮内膜の併存の頻度、および位置関係、移行部分が存在するかの確認(C)萎縮内膜から癌へ移行する部分が存在するかの確認(D)閉経前症例と閉経後症例での、内膜増殖症の形態の相違の確認(E)内膜増殖症併存症例と非併存症例での、臨床疫学的因子の相違、などに関して臨床病理学的検討と評価を中心に研究を行った。また、一部の症例においてはestrogenおよびandrogenの腫瘍組織中濃度測定を行い臨床病理学的因子との相関を検討した。さらにestrogenおよびandrogenの合成代謝酵素や性ステロイド核内受容体(androgen receptor, estrogen, receptor, progesterone receptor)に関して、免疫組織学的検討を行い、閉経の有無を含む臨床病理学的因子や予後などとの相関を検討した。その結果、類内膜腺癌症例において、testosteroneを5α-dihydrotestosterone (DHT)へ代謝変換する酵素である5α-reductase type 1が発現している症例は、発現していない症例に比較して有意に予後がよく、多変量解析においても独立した予後因子であることが明らかとなった(The role of 5α-reductase type 1 associated with intratumoral dihydrotestosterone concentrations in human endometrial carcinoma. Molecular and Cellular Endocrinology 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基盤をなす子宮体がん手術症例からの類内膜腺癌症例の抽出および臨床病理学的検討と評価は、順調に進んでおり、また、estrogenおよびandrogenの組織中濃度測定と臨床病理学的因子との相関、さらにestrogenおよびandrogenの代謝酵素や性ステロイド核内受容体の免疫組織学的検討も行い、成果は論文として公表しており、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度にひき続き、類内膜腺癌症例の抽出集積および臨床病理学的検討と評価を行う。特にコントロールとなる閉経前症例の集積を進める。集積された症例に対するestrogenおよびandrogenの組織中濃度測定、さらにestrogenおよびandrogenの代謝酵素や性ステロイド核内受容体の免疫組織学的検討をひき続き行うとともに、性ステロイドホルモン関連酵素活性およびmRNAの測定、サイトカインアレイによるサイトカイン測定、遺伝子変異発現の検討と評価も行い、これまで得られたデータと合わせて解析を行う。閉経後症例と、コントロールとなる閉経前症例との、臨床病理学および性ステロイド動態を中心とした性向の比較検討により、閉経後類内膜腺癌の性格がより明らかになっていくと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、本研究の基盤をなす子宮体がん手術症例からの類内膜腺癌症例の抽出および臨床病理学的検討と評価が中心であったため、実験用の消耗品を中心とした物品費に充てる金額は当初予想よりも少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
集積された類内膜癌症例に対するestrogenおよびandrogenの組織中濃度測定、さらにestrogenおよびandrogenの代謝酵素や性ステロイド核内受容体の免疫組織学的検討をひき続き行うとともに、性ステロイドホルモン関連酵素活性およびmRNAの測定、サイトカインアレイによるサイトカイン測定、遺伝子変異発現の検討と評価などの研究に使用する予定である。
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