老化細胞の蓄積が組織や個体に悪影響を及ぼす可能性があるため、恒常性維持のために老化細胞が除去される機構の存在が示唆される。しかし正常組織中の老化細胞の除去機構、またその仕組みの破綻と疾患との関連は不明である。マウス妊娠子宮への老化細胞の蓄積が早産の発症と関連することから、マウス妊娠子宮に着目して本研究を行った。その結果、妊娠子宮に生理的に存在する老化細胞は分娩後も子宮に残存し徐々に消失すること、そのクリアランスの機構にマクロファージが関与すること、分娩後子宮における老化細胞のクリアランスが子宮機能回復と密接に関連しその残存が子宮機能障害を引き起こすことが明らかとなった。
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