研究課題/領域番号 |
26670722
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三瀬 裕子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (90725607)
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研究分担者 |
松村 謙臣 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20452336)
小西 郁生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90192062)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / アノイキス抵抗性 / 機能ゲノミクススクリーニング / 化学療法感受性 |
研究実績の概要 |
shRNAライブラリーを用いた機能ゲノミクススクリーニングによって、アノイキスに関わる3遺伝子(ABHD2, ELAC2, CYB5R3)を同定した。それら3遺伝子のmRNA発現は、卵巣境界悪性腫瘍や正常卵巣表層上皮に比して、卵巣漿液性腺癌で発現が抑制されていた。The Cancer Genome Atlas (TCGA)データセットの解析で、それら3遺伝子のlocusは卵巣漿液性腺癌の多くでdeletionが認められ、そのmRNA発現は、コピー数と正の相関を示した。ABHD2タンパクは、抗体が入手可能であったため、さらなる解析を行った。ABHD2タンパクの発現を卵巣漿液性腺癌において調べると、予後不良群およびプラチナ抵抗性群で有意に発現が低下しており、ABHD2が化学療法感受性に関与している可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に予定していた実験がすべて終了し、今年度の実験の準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ABHD2遺伝子を過剰発現させて、アノイキスが増加するかを調べる。またABHD2とp38, ERK, Srcなど、アノイキス抵抗性に関わるシグナル経路の関連を調べる。さらに、ABHD2の発現がプラチナ感受性に関わるか、in vitro実験を行う。免疫不全マウスへの移植実験によって、卵巣癌細胞の腹膜播種にABHD2発現が関わっているかを調べる。本年度中に論文投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
機能ゲノミクススクリーニングに用いるshRNAライブラリーは、通常高価なものであるが、今回はCellecta社から無償譲渡されるものを用いることが出来たため、コストの削減が可能となった。
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次年度使用額の使用計画 |
今回見いだしたアノイキスに関与する遺伝子が、免疫不全マウスにおける腹膜播種性転移と関連するかを調べるために用いる。
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