子宮内膜症の克服は現代女性の生活の質(QOL)に必須である。今回、子宮内膜細胞が腹腔内に逆流する際に卵管上皮や腹膜中皮細胞と接触する過程で、これらの細胞よりの情報伝達を受けて、いわゆる“子宮内膜症細胞”に進化すると考え、その情報伝達の鍵としてエクソソームに焦点を当てた。第一段階として安定して抽出が可能ながん細胞よりエクソソームを抽出し、初代培養した腹膜中皮細胞への添加実験を行った。エクソソームは腹膜中皮細胞へ取り込まれた。網羅的な解析を加え、エクソソームにCD44が含まれること、腹膜中皮細胞にそのCD44が伝達されることを確認し、エクソソームが細胞間の情報伝達の鍵となる一つの事象を解明した。
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