卵胞数の減少や卵の質の低下に起因する卵巣の加齢は、不妊領域最大の課題であるが有効な対処法はない。松果体ホルモンのメラトニンは卵胞液中に存在し、その抗酸化作用で卵子を保護している。今回はメラトニンの長期投与で卵巣の加齢を予防できるかを検討した。ICR雌マウスを用い、10週齢から43週齢までの間、メラトニン水 (100μg/ml) を、コントロール群には水道水を飲水投与した。メラトニンの長期投与によって、加齢に伴う卵胞数と排卵数の減少、受精および胚発育の低下が防止できた。メラトニンは卵巣の加齢を軽減でき、その機序はリボゾーム機能維持や抗酸化機構の賦活が関与している。
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