放射線治療は癌細胞に作用して細胞死を誘導するが、それだけにとどまらず、一部の癌細胞では細胞死によって、免疫刺激分子の発現や免疫シグナル分子の放出をきたすことが明らかになってきた。今回、放射線照射(X線と重粒子線)による免疫学的作用について検討した。重粒子はX線と比較して高い殺細胞効果(アポトーシス誘導能)を認めた。更に放射線照射によってcalreticulinの発現増強とともにCD47の発現低下を認めた。放射線照射による抗腫瘍免疫応答の誘導のメカニズムの一つとして放射線照射された癌細胞はマクロファージによって貪食されやすくなり、癌抗原提示を促進している可能性が示唆された。
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