研究課題/領域番号 |
26670739
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉崎 智一 金沢大学, 医学系, 教授 (70262582)
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研究分担者 |
遠藤 一平 金沢大学, 大学病院, 助教 (30547154)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ミセル化薬剤 / 頭頸部癌 |
研究実績の概要 |
ダハプラチン(一般名:オキサリプラチン)は、切除不能進行大腸癌に対するFOLFOX法(オキサリプラチン、レボホリナート、5-FUの併用)として承認されている。 抗癌剤を一定の大きさのミセルに内包することで、血中での安定性向上と癌組織に集積しやすくなる特徴を有することが知られている。本研究では、オキサリプラチンのミセル化薬剤であるダハプラチン誘導体ミセル(以降、NC-4016)を用いて、抗腫瘍効果増強と神経障害軽減の可能性を検討した。抗腫瘍効果を実験1-3にて検討した。実験1では、頭頸部癌cell lineでのオキサリプラチンとNC-4016の抗腫瘍活性をMTS assayにてIC50を検討した。実験2では、KB細胞をヌードマウスの背部皮下に播種し各薬剤(オキサリプラチン、NC-4016、5%ブドウ糖液)を投与し、腫瘍長径と短径を毎週測定した。 神経障害は実験4にて検討した。オキサリプラチン、NC-4016、5%ブドウ糖液の3群にてラット足底に対するAceton test、cold test、heat test、von Frey testにて神経障害を評価した。 Cell lineにおける抗腫瘍効果は従来のオキサリプラチンが、NC-4016より高い抗腫瘍効果を認めた。一方で、マウスにおける抗腫瘍効果は、NC-4016において有意に腫瘍の増大を抑制していた。血漿中のプラチナ濃度は、オキサリプラチンは薬剤投与直後から低下するのに対して、NC-4016は薬剤投与24時間以降も高かった。ミセル化薬剤の血中での安定性と腫瘍への集積効果が、高い抗腫瘍効果をもたらすと考えられた。寒冷刺激であるAceton testとcold testでは、オキサリプラチン群においてのみスコアの上昇と通常より高い温度刺激での反応を認めた。ダッハプラチン誘導体ミセル(NC-4016)の高い腫瘍集積性と抗腫瘍効果、急性期神経障害の軽減の可能性が示された。今後は、薬剤の複数回投与を行い慢性期神経障害についても検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミセル化薬剤の頭頸部癌での有用性についての基礎的実験から学会発表、論文投稿と一定の成果を示すことができた
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今後の研究の推進方策 |
ミセル化薬剤(シスプラチン、ダッハプラチン)について投与経路、薬剤動態のさらなる検討が今後の予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
薬品、抗体の購入費が想定以下であったため
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次年度使用額の使用計画 |
現在の実験継続のための薬品、物品、マウス購入等の予定である。
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