現在、嗅覚障害の回復は難しく、この数十年ほとんど進んでおらず、それゆえ現代医療の重点項目に挙げられている。本研究は多能性幹細胞(ES細胞・iPS細胞)からニューロスフェアを効率よく作製し移植することで、嗅覚障害マウスの嗅覚を戻すことを目的として実験を行った。マウスの胚性幹細胞およびiPS細胞から、FGF2を含む無血清培地による浮遊培養法によって、1次ニューロスフェアへの形成、さらに分散継代し2次・3次ニューロスフェアへの誘導も成功した。しかし嗅覚障害モデルに3次ニューロスフェアを移植したが、残念ながら、嗅覚反応の改善は認められなかった。その理由は、移植細胞の数が少ないためであると思われた。
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