黄色ブドウ球菌の菌体成分であるプロテインA(SpA)はIgGなどの免疫グロブリンと結合、すなわち免疫複合体を形成することにより、IL-10産生などを介して2型炎症反応(IL-5やIL-13産生)を抑制することが明らかとなった。さらにSpA-IgG複合体は抗炎症作用を有する単球上の分子Xの発現を誘導した。分子Xのアンタゴニストは機能的SpA-IgG複合体による鼻茸細胞からのサイトカイン産生の抑制を解除した。以上より、機能的SpA-IgG複合体による炎症制御の作用メカニズムのひとつとして、分子Xの発現誘導を介した抗炎症作用が示唆された。
|