研究課題
前年度の結果を踏まえて、動物種の変更が必要と考えらえた。他の研究にフェレットを用いており、本研究にも使用可能ではないかと考えた。声帯瘢痕の研究にフェレットを用いてきたが、フェレットでは反回神経麻痺モデルの作製は未経験であったため、まずは反回神経麻痺モデルを作製した。フェレットの反回神経も他の動物種と同様に気管傍を頭側に向かって走行しており、同定は容易であった。反回神経を切断後に声帯運動を確認すると左声帯麻痺を生じており、切断した神経が反回神経で間違いないことが確認できた。今後、フェレットを用いてY字チューブ留置の検討を行う予定としているが、ラット用に作成したY字チューブはサイズが小さく、フェレットに用いるには再度作成のし直しが必要と考えられ、フェレット用のYチューブ作成にはまだ至っていない。また、ラットでの検討では長期モデルにおいて瘢痕形成が見られたが、これはシリコンチューブに対する異物反応が原因である。現在臨床応用されている神経再生誘導チューブ(ナーブリッジ®)はポリグリコール酸、コラーゲンなど生体内で分解誘導されやすい素材であり、神経伸長の足場となる製剤である。こうした生体での親和性が高い素材を用いたチューブを使用することでより確実な研究を行うことが可能かもしれない。フェレットを用いた場合もシリコン製のチューブでは瘢痕によって評価が困難となる可能性が高い。より生体への親和性の高い素材をもちいた足場となるY字チューブの作成が必要であると考えている。これまでの結果を踏まえて本研究を進めていきたい。
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