胎生期内耳は、内耳発生研究、先天性難聴に対する治療研究を行う上で非常に重要な研究対象である。我々は過去に、E11.5マウス胎児耳胞に対して、in vivoでの遺伝子、タンパク質導入が可能なことをこれまで報告している。これより後期の胎生期内耳においては、子宮壁が肥厚し混濁してくるため、E11.5で行った経子宮壁的なアプローチは実施不可能であった。これに加えて、胎児自体の皮膚、皮下組織が透明でなくなるため、内耳の局在場所を推測が困難であった。本研究では、まず組織切片を用いた体表と内耳の関係を明らかにし、この結果をもとに、E15.5における胎生期内耳へのアプローチが可能であることを明らかにした。
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