マウス皮下にヒト頭頚部扁平上皮癌HSC2とSASを移植し作成した腫瘍に、乳酸菌lactobacillus caseiの編成嫌気化株KJ686、およびヒト型IL-2発現分泌株KJ474を局所注射投与することで、コントロール群と比べて腫瘍抑制効果があることが昨年度までの研究で確認された。マウス血液中にはINF-γ、TNF-α、IL-12が著名増加、IL-5、IL-10が増加していた。その後、これらlactobscillus caseiの死菌を作成し、これを同様にマウスにヒト扁平上皮癌HSC2を接種して作成した腫瘍に局所注射投与してその効果を検討した。その結果、生菌の場合と比べ、抗腫瘍効果は明らかではなかった。乳酸菌投与2週間後の腫瘍病理組織のグラム染色では、乳酸菌構造が腫瘍の内部に確認された。死菌投与によるマウスサイトカインは現在検討中であるが、乳酸菌生菌に対するマウスの免疫作用により、抗腫瘍効果があることが予想される。
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