研究課題/領域番号 |
26670751
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中澤 徹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30361075)
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研究分担者 |
國方 彦志 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40361092)
井田 智章 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70570406)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メタボローム解析 / 硝子体サンプル / 前房水サンプル |
研究実績の概要 |
酸化ストレスは加齢関連疾患の主な危険因子であり、グルタチオン・システインパースルフィドに代表されるイオウを含むチオール基を基盤としたレドックス制御が鍵となる。様々な眼科疾患において、採血時に血液サンプル、手術時に前房水と硝子体サンプルを採取し、抗酸化物質の濃度測定を行った。白内障、網膜疾患(黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症)、緑内障において、末梢血、前房水、硝子体(網膜疾患のみ)を50例以上採取した。採取した各サンプルにアルキル化剤であるmonobromobimaneを添加し、反応性の高い還元型ポリスルフィドをbimane付加体として安定化させ、高感度タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)を用いたメタボローム解析を行った。得られたデータより各サンプルに含まれる各種抗酸化活性を有する活性イオウ分子を定量した。グルタチオン・システインパースルフィドに代表される活性イオウ分子(GSSH、GSSSHをはじめとするポリスルフィド)を中心に15種類以上の抗酸化物質眼内濃度測定をすることができた。活性イオウ分子の生成量を疾患別に比較検討するとともに、サンプル別(末梢血・前房水・硝子体)にも比較し相関関係を検討中である。術後の炎症所見や視機能予後との解析も行い、診断、病期判定、予後予測に着目したバイオマーカーとしての可能性を検討する予定である。さらに、可能であれば、動物酸化ストレス障害モデルのin vivo評価系を構築し、合成した新規抗酸化物質の有効性を検証する。最終的に、レギュラトリーサイエンスの見地から特許戦略相談、承認に必要な検討を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標に沿って、サンプル回収とその解析が達成できつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、サンプル回収に努める。解析を進め、活性イオウ分子の生成量を疾患別に比較検討するとともに、サンプル別(末梢血・前房水・硝子体)にも比較し相関関係を検討中である。術後の炎症所見や視機能予後との解析も行い、診断、病期判定、予後予測に着目したバイオマーカーとしての可能性を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画のうち、1)様々な眼疾患での新規抗酸化物質測定 に関して、条件検討を含め非常に効率よく進めることができた。よって、わずかながら、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度には、新規抗酸化眼内灌流液の開発、動物モデルを用いた新規抗酸化物質の安全性と抗酸化作用の測定、正常動物眼を用いた抗酸化眼内灌流液の有効性の検証、新眼内灌流液に用いる新規抗酸化物質の絞り込み を含め当初の計画通り進めていく予定である。これらに伴い、物品費、旅費、人件費などとして請求予定である。
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