研究課題
高分子ナノ粒子ライブラリーを合成し、細胞増殖アッセイでのナノ粒子ライブラリーを種々の濃度で混合し、増殖抑制効果のスクリーニングを行った。カチオン系の粒子の抑制効果が強いことが明らかとなった。カチオン系粒子の中の重要な要素を明らかにする目的で、さらに新しいライブラリーを設計した。初回スクリーニングの結果、増殖抑制効果があると考えられるもの(Cation 1、Cation 5、Cation 15、Cation 19、Cation 22、Cation 24)から細胞毒性があると考えられるもの(Cation 5、Cation 15、Cation 19)を除外した3種類(Cation 1、Cation 22、Cation 24)についてカチオン導入量および疎水性官能基導入量を変化したライブラリー(20種類)を2次ライブラリーとして作成した。再度細胞増殖アッセイで2次ライブラリーを種々の濃度で混合し、増殖抑制効果のスクリーニングを続行中である。
2: おおむね順調に進展している
高分子ナノ粒子ライブラリーを用いたペリオスチン依存性増殖抑制効果のスクリーニング系を確立でき、カチオン系の粒子の抑制効果が強いことを明らかにできた。さらに2次ライブラリー作成も終了し、ペリオスチン依存性の増殖抑制効果の強いプラスチック抗体を抽出できるめどがついたため。
ペリオスチン依存性細胞増殖アッセイで2次ライブラリーを種々の濃度で混合し、増殖抑制効果のスクリーニングを続行し、抽出したナノ粒子の架橋密度および粒子径を最適化する。最適化ペリオスチンプラスチック抗体の薬効を、既に確立しているマウス網膜血管新生モデルおよび脈絡膜血管新生モデルにて評価する。マウス網膜血管新生モデルとして、頻用している再現性の高いマウス酸素負荷網膜血管新生モデルを用いる。高酸素負荷直後にペリオスチンプラスチック抗体を硝子体腔に注射する。血管新生誘導後5日にフラットマウントを作成して血管新生抑制効果を定量化する。対照としてナノ粒子のみの投与も行い、その影響を検証する。その後眼球摘出し、ナノ粒子およびペリオスチンプラスチック抗体の残存量を定量すると同時に組織学的、電気生理学的にも安全性を評価する。次に、マウスにレーザーを照射し、脈絡膜新生血管を誘導する。同時に、ペリオスチンプラスチック抗体を硝子体注射する。注射後7、24日目にフラットマウントを作成し、血管新生および線維化抑制度を評価し、治療効果を判定する。同時に前房水を採取し、ペリオスチンプラスチック抗体の眼内での濃度を測定する。術後7、24日目に上記マウスモデルと同様に安全性を評価する。
予定額の約92%を使用した。ナノ粒子スクリーニングにかかる試薬代がやや少なめとなった。
ナノ粒子スクリーニングにおける細胞培養実験および動物飼育費用にあてる。研究成果を積極的に学会発表し、論文投稿を行う。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Gene Ther
巻: 22 ページ: 127-37
10.1038/gt.2014.112.