研究課題/領域番号 |
26670763
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
勝山 綾 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術補佐員 (50722873)
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研究分担者 |
竹下 孝之 東北大学, 大学病院, 助手 (70361095)
阿部 俊明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90191858)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 網膜芽細胞腫 / ドラックデリバリー / 抗癌剤 / 眼内腫瘍作製 |
研究実績の概要 |
副作用などで長期に全身使用できない抗癌薬でも持続的に多剤を眼局所に徐放し、幼児でも加療可能な眼内腫瘍治療の開発を目指してきた。すなわち網膜芽細胞腫など眼内腫瘍はさまざまな治療法が試みられても、副作用が強い、最終的には眼球摘出に至る、温存できても視機能維持は困難などの問題が山積しており、これらの問題解決に向けた検討を行ってきた。平成26-27年度で我々の既報の技術を利用したポリエチレングリコール等のポリマーを利用した径強膜徐放が可能なデバイスを作製し、さらに抗がん剤のエトポシドとシスプラチンなどの抗癌剤をバーストなしで持続徐放が可能になった。この方法は眼内操作がない強膜上から徐放を検討するものであるが、in vitroでは徐放抗癌剤の抗腫瘍効果の確認ができた。抗がん剤は他にもオンコビン、シクロフォスファマイドやアバスチンなどの抗体製剤などたくさんあるが、我々のシステムは高分子から低分子まで徐放可能なので、今後はさらに複数の薬剤を独立徐放させる治療を目指す。 さらに重要な成果として、異種細胞であるヒト網膜芽細胞腫のラットの眼内での増殖を可能にできるシステムのおおまかな準備が出来た。このシステムはやはり我々の既報の薬剤徐放技術を利用したシステムでモデル動物作製の準備ができたことが成功につながった。この腫瘍モデルは評価に便利なLuciferase を導入したY-79 Lucを利用したために、画像定量が容易になった。この細胞はSt. Jude Children Research Hospital, Inc.とMTAを結び入手した。 一時的免疫抑制システム作製により、ヒト網膜芽細胞腫のラット網膜移植による眼内腫瘍の作製の手がかりがつかめた。抗がん剤であるエトポジドとシスプラチンをバースト無く局所徐放できるようになり、複数薬剤も強膜上から同時徐放できる可能性が示せた。
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