研究課題/領域番号 |
26670765
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
家入 里志 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00363359)
|
研究分担者 |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
黒田 達夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60170130)
下島 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30317151)
炭山 和毅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90385328)
藤ヶ崎 純子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60312021)
宮田 潤子(秋吉潤子) 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20380412)
三好 きな 九州大学, 大学病院, その他 (20621709)
小幡 聡 九州大学, 大学病院, その他 (30710975)
神保 教広 九州大学, 大学病院, その他 (10650559)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 消化管神経叢 / 共焦点内視鏡 / 神経節細胞 |
研究実績の概要 |
【方法】小児外科手術により腸管切除の手術を受けた患者6人を対象とした。原疾患の内訳は鎖肛2例、メッケル憩室2例、空腸閉鎖症1例、ヒルシュスプルング病1例で年齢は9ヵ月~10歳であった。切除検体にクレシールバイオレット色素を散布あるいは漿膜下に局所注射し漿膜側よりCLEを当てて観察した。観察した部位の病理組織標本を作製し、それぞれ3段階で評価した。CLEグレード0:染色不良、グレード1:神経叢あり、グレード2:神経叢なし、病理組織グレード0:標本作製不良、グレード1:神経叢あり、グレード2:神経叢なし。 【結果】 CLE観察において、クレシールバイオレット色素を注入して数分以内に神経叢が観察可能となり15分ほどでよりよく見えるようになった。ヒルシュスプルング病の症例においては、正常部と無神経節部の両方で観察を行ったが、正常部において梯子状の神経叢が明瞭に確認できるのに対して無神経節部では全く神経叢が確認されず、その差は明らかであった。CLEグレードと病理グレードを対比すると、6例で10検体の検討を行い、すべてにおいてグレードが一致し、感度、特異度ともに100%であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト臨床検体において摘出後の腸管に対するCLEによる観察を行い、漿膜側から腸管神経叢の可視化が可能であることを確認できた。ヒルシュスプルング病の術中迅速病理と比較すると短時間で連続性をもって神経の分布を評価できる可能性があり、将来の臨床応用が期待されるためである
|
今後の研究の推進方策 |
現在摘出検体による観察および病理標本との整合性を検討している。 今後その検証が終わった後は、ヒルシュスプルング病の経肛門的腸管切除において 生体での評価を行い臨床応用を目指す。 その後は腹腔鏡における腹腔内での観察が可能なプロトコールを検討する
|
次年度使用額が生じた理由 |
臨床検体を用いた実験を平成27年度に行うため。
|
次年度使用額の使用計画 |
引き続き臨床的有用性の検証のための動物実験を継続する。
|