研究課題/領域番号 |
26670773
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
矢野 浩規 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (60325652)
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研究分担者 |
田中 克弥 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (70722750)
平野 明喜 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90208835)
樫山 和也 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (60723591)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | miRNA / 骨形成 / 骨調整 / 顔面骨 |
研究実績の概要 |
細胞内遺伝子発現調整因子として最近注目されているmicroRNAの働きについて骨形成過程とくに破骨細胞や造骨細胞を中心に調べ、有機質基質(仮骨)形成や無機質沈着(石灰化)にどのような働きを担っているかを明らかにし、顔面骨形成過程におけるmicroRNA(siRNA)を用いた意図的な骨形成・吸収および骨周期コントロールを目的として本研究を開始した。哺乳動物細胞におけるmicroRNAの役割の解明はまだ黎明期であり、骨形成(再生・分化増殖)過程に置けるその働きや役割だけでも明らかにすることは重要である。投与法や条件の解析が必要であるが、その原理を用い、オーダーメイドの骨形成が出来ればその利用価値は高い。平成26年度は培養細胞からmicroRNA解析用cDNA作成およびmicroRNA発現の比較検討のため、まず確立されたcell lineであるHCOとMLC-6からtotal RNAを抽出してcDNA作成し、成熟瘢痕由来の組織と細胞を対照してmicroRNAの発現の違いを検討した。短鎖のnon-coding RNAを選択的に抽出し、microarrayとmicroRNA specific real-time PCRを使用してターゲットmicroRNAの標的遺伝子の絞りこみを行った。現在、microRNAのターゲットmRNAの予測 web site database (miRanda, TargetScan PicTar 等)を使用したIn silico identificationで行っている最中であるが、今後は動物実験作成した骨欠損および骨移植組織から(直接もしくは継代培養で)サンプリングしてmicroRNAの発現の違いを検討し、in vitroのデータと合わせて、それにより選出されたmicroRNA及び既にターゲットとして挙げたmicroRNAが骨形成や骨吸収に果たす役割を検討する。同時にmiRNA遺伝子欠損(KO)マウスを用いターゲットmRNA解析の精度を向上させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞からmicroRNA解析用cDNA作成およびmicroRNA発現の比較検討のため、まず確立されたcell lineであるHCOとMLC-6からtotal RNAを抽出してcDNA作成し、成熟瘢痕由来の組織と細胞を対照してmicroRNAの発現の違いを検討した。短鎖のnon-coding RNAを選択的に抽出し、microarrayとmicroRNA specific real-time PCRを使用してターゲットmicroRNAの標的遺伝子の絞りこみを行いターゲットはある程度絞り込めた段階である。
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今後の研究の推進方策 |
ラットの骨欠損部や骨膜下などへ基材として現在臨床応用可能なもの(コラーゲンゲル、ボーンペーストなど)にmicroRNAを混ぜたものやレポータープラスミドを用いたmicroRNA投与を行い骨形成能や骨吸収能を調べ、ターゲットmicroRNAの実際にin vivoで効果を確かめる。当初計画通りに進まない時は、投与法や混合基材についてはMEDLINEや学会等での情報を得られ利用可能であれば採用して研究を行う。また、長期安定性を調査するため、で効果があるmicroRNAについてテトラサイクリン・カルセイン骨形態計測法や経時的骨塩量を計測しつつ、実際の骨標本を作製して総合解析および判断を行う。
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