A.ラット皮膚におけるコラーゲン線維の配向分布をマイクロ波方式によって調べた。線維配向分布は部位によって大幅に異なることを明らかにした。B.皮膚移植によってコラーゲン線維の配向性が変化するかどうかを調べた。背部に元の部位、同じ方向のまま皮膚移植したものと90度異なる方向に移植したものとを比較した。同じ方向のまま皮膚移植したもののコラーゲン線維は移植周辺と似た配向性を示したが、90度異なる方向に移植したものとは移植周辺と90度異なった方向に配向していた。この結果は、皮膚移植においては移植片の配向性を保ったまま、移植床に生着したと考えられ、瘢痕拘縮の原因と密接に関係する可能性が示唆される。
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