ヒトケロイド由来線維芽細胞とヒト正常瘢痕由来皮膚線維芽細胞の初代培養株それぞれ10株におけるコラーゲンtype1の遺伝子発現をqRT-PCRにて解析し、発現の高いケロイド由来線維芽細胞3株と低いWSF3株を以降の実験に用いた。 理化学研究所よりhTERT遺伝子を搭載したFLCⅢFm-hTERT vectorを購入し、PCRにてhTERT遺伝子のcDNAを増幅した。hTERT cDNAをInFusion Cloningを用いて、レンチウイルス発現ベクターであるpLVSIN-Pur vectorに挿入し、pLVSIN-hTERT Rentivirus Vectorを作製した。 作製した遺伝子組換えレンチウイルス発現ベクターをケロイド由来線維芽細胞と正常瘢痕由来皮膚線維芽細胞に感染させた後、ピューロマイシンによる薬剤選択を施行した。生存した細胞を限界希釈法により各株48株ずつサブクローニングした。継代によって各細胞株をexpandした後に、qRT-PCRにてコラーゲンtype1遺伝子の発現を解析した。興味深いことに、ケロイド由来線維芽細胞の中にもコラーゲンtype1の発現が高い細胞株と低い細胞株が存在した。コラーゲンtype1の発現が高い細胞株10株について更に継代を重ねてから、再びコラーゲンtype1の発現を解析し、高発現が維持されている細胞株5株を同定した。同定された細胞株は真のケロイド形質を有していると考えられた。
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