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2014 年度 実施状況報告書

ケロイド患者由来iPS細胞の樹立-新たな創薬の開発を目指して-

研究課題

研究課題/領域番号 26670778
研究機関順天堂大学

研究代表者

水野 博司  順天堂大学, 医学部, 教授 (80343606)

研究分担者 飛田 護邦  順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (10599038)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードケロイド / iPS細胞 / 創薬
研究実績の概要

研究1年目の目標は、①ケロイド患者由来の線維芽細胞及び健常者由来の線維芽細胞からiPS細胞を樹立すること、②樹立したiPS細胞から線維芽細胞を分化誘導させることであった。
本研究で使用する試料は、健常者由来線維芽細胞及びケロイド患者由来線維芽細胞及びケロイド線維芽細胞であり、3種類の試料収集を学内規定に基づき実施した。現在は、試料の収集目標数に到達していないため、今後も継続して試料収集を行っている。
また、試料収集と同時並行で、iPS細胞の培養方法を確立するため、すでに樹立されたiPS細胞(RIKEN Bio Resource Centerより譲渡された健常者由来iPS細胞)を用いて、培養を開始した。iPS細胞培養の具体的方法に関しては、これまでの発表論文(Cell, 2006)を参考にし、すでに自施設内で継代・増殖させる手技を確立し、iPS細胞ストックを保管できる状況にある。
さらにRIEN BRCより譲渡された健常者由来iPSから、線維芽細胞へと分化させる取り組みを開始した。これまでの報告から、MSCs(Mesenchymal stromal/stem cells)から線維芽細胞へ分化誘導させるためには、CTGF(Connective Tissue Growth Factor)やbFGF(basic-Fibroblast Growth Factor)が関与していることが示唆されている(J Clin Invest, 2010, Int J Clin Exp Pathol, 2014)が、iPS細胞から線維芽細胞への分化誘導方法は確立されておらず、今後の課題の一つである。現在は、MSCsから線維芽細胞を分化誘導する手法を参考にして、iPS細胞培養時にCTGF及びbFGFを培地に添加し、線維芽細胞へと分化誘導する検証実験を実施中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

上述したごとく、本研究試料となる健常者由来線維芽細胞、ケロイド患者由来線維芽細胞及びケロイド線維芽細胞の収集が思うように進まず、かつiPS細胞の樹立や健常者由来iPS細胞の線維芽細胞への分化誘導法に関して試行錯誤していることが大きな理由である。

今後の研究の推進方策

今後の取り組みとしては、①健常者由来線維芽細胞からのiPS細胞樹立、②ケロイド患者由来線維芽細胞からiPS細胞樹立を実施し、それぞれのiPS細胞を線維芽細胞に分化誘導する手法を確立する予定である。iPS細胞から線維芽細胞への分化誘導効率をいかに上昇させるかが課題となるが、iPS細胞の樹立の検証とRIEN BRCより譲渡された健常者由来iPS細胞から線維芽細胞への分化誘導の検証を同時並行で実施し、両成果を融合させることで、自施設で樹立したiPS細胞を線維芽細胞へ分化させる成果を導き出せるよう、研究推進の方策を検討している。
さらにiPS細胞から分化誘導させた2種類の線維芽細胞及びケロイド線維芽細胞を用いた評価解析を2年目の後半に計画している。本研究の最終的な目標は、ケロイド患者から提供を受けたケロイド細胞とケロイド患者由来iPS細胞から分化誘導させた線維芽細胞との差違を検証すること、さらにケロイド患者由来iPS細胞から分化誘導させた線維芽細胞と健常者由来iPSから分化誘導させた線維芽細胞の差違を検証することであり、そのためDNAマイクロアレイ及びリアルタイムPCRを実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究試料である健常者由来線維芽細胞、ケロイド患者由来線維芽細胞、ケロイド線維芽細胞、そして健常者由来iPS細胞が当初の想定よりも収集できず、その結果それらの培養に必要な試薬(培地、血清ほか)の購入量が少なかったためと考えている。

次年度使用額の使用計画

本年度達成できなかった研究分に加えて来年度予定の研究を遂行する際に、残額を無駄なく効果的に使用予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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