研究課題/領域番号 |
26670779
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
赤松 正 東海大学, 医学部, 准教授 (10276850)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 臍帯血 / 単核球細胞 / 骨形成 / SCID mouse |
研究実績の概要 |
研究成果:研究用保存臍帯血から単核球細胞を分離した。研究用臍帯血は研究計画では大学病院内の臍帯血バンクから調達予定だったが、臍帯血バンクの閉鎖移動に伴い、これが困難になった。換わって、理化学研究所バイオリソースセンターから研究用保存臍帯血を購入した。本年度はこれをFACS(fluorescence-activated cell sorter)を用いてOPC(Osteogenic progenitor cell)を単離し、その細胞数を計測中である。さらにこのOPCをosteogenic mediaで培養中で、骨芽細胞に分化した細胞数も計測中で、最も効率的骨芽細胞に分化させうる培養条件を検討中である。現在は、分離により得られた単核球をMSC用の骨芽細胞誘導培地で培養している。骨芽細胞への分化と骨基質の産生を確認するために分化した骨芽細胞をOsteoblast-specific marker であるAlkaline phospatase とRunx2の2種類を用いて同定中である。困難な場合はDNA量の計測で代用する予定である。また形成された骨基質の確認はまだ行えていない。 これまでの研究の意義:将来患児が自己臍帯血由来単核球移植を受けたときに、有効な骨基質の産生が得られることを確認するための第一段階である。 重要性:研究の第2段階である、SCIDマウス頭蓋骨に形成した骨欠損部へ移植し実際に骨形成能を評価する実験はどうしても行いたい。この第一段階で研究費を使いすぎないよう、次の段階への早期の移行を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付額に合わせ、当初の研究内容を変更中。骨芽細胞への分化と骨基質の産生を確認するために分化した骨芽細胞をOsteoblast-specific marker であるAlkaline phospatase とRunx2の2種類を用いて同定中であるが、まだ形成された骨基質の確認は行えていない。早期に研究の次の段階である、SCIDマウス頭蓋骨に形成した骨欠損部へ移植し実際に骨形成能を評価する実験への移行を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
27年度の研究計画ではSCIDマウス頭蓋骨に形成した骨欠損部に 臍帯血由来単核球を移植する骨形成実験を行う予定である。臨床での実現性を示すために計画を実現したい。 移植条件を変えながら、4グループ計64匹を使用する予定だったが、縮小し、最も細胞数の多い群のみ1グループと対象群で行う予定である。保存臍帯血から分離した臍帯血由来単核球細胞を、フィブリン糊、β-TCPなどの担体とともにSCIDマウス頭蓋骨に人工的に形成した骨欠損部に移植する。移植後8週まで観察し、移植細胞による骨形成能を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在は、分離により得られた単核球をMSC用の骨芽細胞誘導培地で培養している。培養条件を変えながら最適な条件を検討中であるため、分化した骨芽細胞の同定が予想より困難である。Alkaline phospatase とRunx2の2種類を用いての同定をこのまま続けるよりも、研究の第2段階である、SCIDマウス頭蓋骨に形成した骨欠損部へ移植し実際に骨形成能を評価する実験はどうしても行いたいので、この第一段階で研究費を使いすぎないよう、次の段階への早期の移行を検討中である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究の次の段階である、SCIDマウス頭蓋骨に形成した骨欠損部へ移植し実際に骨形成能を評価する実験を行う。ここで、形成された骨基質の確認に予定通りAlkaline phospatase とRunx2の2種類を用いての同定を行う予定である。
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